自己隔離日記④

ブログは2週間に一度は更新するのが目標だが、気付くと前回の更新から一ヶ月以上経っていた。まずは言い訳。

家の近くを巨大な七面鳥が歩いていた

モチベーションの低下

これもひとえに、生活全般における意欲が非常に低下しているためである。

自室での軟禁生活もはや2ヶ月。本当に飽きた。締め切りもあるので、ブログで暇と書くと「働けよ」といわれそうだが。

家族がいる女性の研究者は、在宅で不利を被っているという記事を読んだ。こうして暇していられるのが大変な贅沢だということは重々承知だが、それにしても暇である。一人で部屋に軟禁され、海にもバーにもジムにも行けないし、研究以外にやることがない。

いま、大変な人がたくさんいる中で、わたしが部屋に軟禁されて難儀だ、という話を書くのもあまりに無神経だよなぁ、ということでブログ更新のモチベーションも非常に低下している。

日本に帰ろうにも、片道1,250ドルとか、経由地で乗り継ぎ待ち15時間みたいなトンデモチケットしか売りに出ていない。

まぁ、とはいえたまにメモ的に更新して置いた方がのちに何か思い出したいときなどに役に立つかもしれない。

暖かくなってきたのは救い

この間の出来事

出来なかったことを思い出すと落ち込むので、この間に出来たことを書きたい。

昨年からずっと懸案だった論文を今週とりあえず投稿できたのは良かった。難易度高めの雑誌に送ったので、共著者の先生とも、正直ここには通らないだろうね、とは言っているのだが、目標は大きい方がよいでしょう。夏以降のことも考えないといけないので、二つほど小さな研究費のグラントに応募。

大学が書類を間違えたせいで、どうしたらいいのかまったくわからなくなっていた税金の申告をついに完了。

連邦税は還付があるが、州税を払うとマイナスである。大企業やミリオネアは得していいかもしれないが、低収入層におけるアメリカの税金は決して安くない。その割に公共サービスの質は…。アメリカにいた過去数年間、すごい貧困生活だったのに同じような収入のアメリカ人よりたくさん税金をとられた。アメリカに外国人としているといいこともたくさんあるけれど、この社会はポンコツな部分が多い。

最近はルッコラにはまっている。独特の苦みがくせになる。しかし、なにせルッコラの葉は硬い。生で食べていると全然へらなくてしなびてくる。そこで「ルッコラーメン」などの加熱メニューの作成にいそしんでいる。

現在のオススメは、ずかしさんという方がTwitterで紹介していた「草子丼」というネギだけの親子丼に着想を得たオリジナル料理「ルコドン」。非常に美味。

見た目は悪いが…

豆ソテーにもハマっている。肉料理のつけあわせによい。

うまい

下の階にスペイン人のハーバードの先生の一家が住んでいるのだが、そこの娘さんがわたしのミニグリルの横に小庭を作るなど、家族ぐるみでの嫌がらせを受けている。

No Tach!とのこと

しかし、一番下の赤ちゃんだけは非常にわたしを気に入っており、私が外に出てくると「Hi!」と興味津々で後をつけてくる。あまりの人気ぶりに、先日お母さんから「養子にあげてもいい」というオファーをいただいた。前向きに検討中。

マインドハンター

マインドハンターというNetflixのドラマを2シーズン全部見てしまった。

ドラマは全然見ないので、存在を知らなかったが、UさんからTwitterで教えてもらったところによると、社会学者の名前がちょこちょこでてくるので、業界(社会学界隈)では結構知られているらしい。

有罪ありきで前近代的な捜査をしていたFBIの手法に疑問を持った新米捜査官が、心理学の手法などを取り入れつつ、連続殺人犯へのインタビューから「プロファイル」を作成する研究プロジェクトを立ち上げ、それを実際の犯罪現場でも応用していく。

画像はForbesから借用

全体にテンポが早くて、心理描写もうまくてどのシーンも絶妙に気味が悪いし、見始めると引き込まれてしまう。シーズン1は登場人物が白人男性ばかりなのだが、シーズン2では人種問題やセクシュアリティの話なども織り込まれていて、よく出来ていると思う。

研究の監修をしている心理学者は、主人公のFBIの捜査官がインタビューの原稿に従わないことにご立腹だったのだが、自分で原稿通りにやってみたら全然うまくいかなかったり、また、FBIの捜査官によるインタビューでも研究から導き出された類型を意識しすぎて「インタビュー自体が誘導尋問っぽくなってない?」という場面もあったりと、社会学者も身に覚えがありそうな「インタビューあるある」を感じた。

黒人がインタビューしたとき、白人がインタビューしたとき、女性が男性にインタビューする場合、男性が男性に…などいくつかのバリエーションがあって、インタビューされる側のリアクションも様々なので、マインドハンターに限らず、ドラマなどのインタビューシーンをもとにして授業でシミュレーションやロールプレイング等をやるのもいいかもしれないと思った。

大学の社会学の方法論の授業では、インタビューでも統計でも、何事もやりながら学ばないとわからない部分が多いと思う。一方で、インタビュー調査など他の人の生活に介入する調査の場合、むやみやたらとやるのも迷惑だし考えもので、やらなくてすむならできるだけやらない方がいい。

それゆえ、学部の授業でも「やってみないとわからない」一方で、実際にインタビュー調査をするのはいかがなものか、というジレンマがあるのだが、こういう教材を充実させるのも一つの方法かなと感じた。単なる思いつきなのだが。

おもしろいのだが、良いことばかりではない。

ある夜、熱中しすぎて(あと暇なので)4話連続で見てしまった。床についた後、殺人現場に居合わせる悪夢を見てしまい、深夜に「ヒィッ!」と目が覚めた。怖かったー。

また、街中で見るあらゆるものに連続殺人事件の兆候を見出してしまう。やめようやめよう。

散歩中、この不気味な尋ね人ポスターを見つけ、シリアルキラーの気配を感じた。FBIに相談か?

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