自己隔離日記②

前回ブログを書いた2週間前は、今考えるとまだのんびりとした雰囲気であった。

この2週間の間に、ボストンはレストランの営業停止、それに続いてスーパーや薬局などの必要最低限のサービス以外も営業停止となり、われわれも大学のオフィスに立ち入り禁止になった。そういえば、この間にハーバードの学長もコロナにかかった。

イタリアのように、ここからさらに加速度的に事態が進むと仮定すると、いまから2週間後にアメリカがどうなっているのか、非常におそろしい。

ヨーロッパやアメリカの状況をニュースで毎日見ていると、イタリアやニューヨークの病院の惨状が伝わってきて、鬱になりそうである。


一方、Twitterや日本のニュースを見ると、お肉券やDJ券、さらには一世帯にマスク2枚配布などなど、毎日が壮大なコント。これも精神衛生によくない。

街も静か

ニュースを細かくチェックするのはやめようと努力している。


2週間の自己隔離を振り返りたい。

坊主になった

美容院も営業停止のため、やむなし。

ムショ帰りっぽい仕上がりで満足している。心なしか家のまわりでも坊主の人が増えている気がする。

やたらと買い物をしてしまう

お店も開いていないし、家から出ることがないので、消費とは無縁の生活である。

と、思っていたのだが、実は物欲の奴隷になり果てている。

まず、3食必ず家で食べる上に、食事以外に特にイベントがないという刑務所のような生活なので、想像を絶するペースで食材がなくなる。

家から出る口実も買い物しかないので、スーパーに行く頻度が非常にあがっている。調理する時間もあるし、買ったことのない余計な食品に手をのばしがち。おじいちゃんは生前、やたらと頻繁にスーパーに行っていたが、いまは気持ちがわかる。


ハワイ時代の習慣、キンパ作りも復活

今の家には一年しか住まない予定だった上、お金もないし、どうせ日中はオフィスにいるので、必要最低限以外のモノは買わないようにしてきた。しかし、ずっと家にいると「あ〜、あれがあればもっと便利なのに」というものが増えてくる。

宅配の人たちも大変だし、自制しようとこらえているのだが、ふと気が付くと、生産性、生活レベル向上という大義名分のもと、細々とした安いモノを買ってしまっている。PCモニター、PCの台、加湿器、調理器具などなど。

はっ!と、気付くと、家にポータブルスピーカーやキャンプ用の椅子も届いていた。自分でも気付かぬうちにAさんにおねだりして、肉を焼くグリルも買ってもらった。


いつの間に…

「この危機が終わったらキャンプに行きたい→その準備をすることで、自宅隔離中も前向きに過ごせる→生産性が上がる」という論理で、自分的にはしっくりきている。


仕方ないので裏庭で焼いてます

普段から、買い物もあまりしないし、質素に生活していると思うのだが、それでも日常生活では、ランチを買ったり、コーヒーを買ったり、夕飯を買ったりと、財布を出す場面がしばしばある。


そういった日常的な消費の機会がなくなると、こういうものを買ってしまうようだ。

いかにお金を使うことが習慣化、身体化しているかを考えると、自分で自分が恐ろしい。資本主義の申し子である。

やらなくても良いことがはかどる

この学期は、バリバリと本や論文の原稿を書き上げる!

予定だったのだが、神は私と原稿にどれほどの試練を与えるのか(森喜朗風)。

むしろ、掃除や洗濯、整理整頓がはかどり、部屋が非常に綺麗になり大満足である。

この機会に、テンプレートのレストランの食べ物の画像のまま一年近く放置されていたウェブサイト作成も再開。中身があまりないのだが、この調子だとあっという間に充実しそうで自分が怖い。

せっかくの投資にもかかわらず、研究の生産性は下降の一途をたどっているが、やらなくても良いことに関しては非常にはかどっている。

Netflixのドラマ、イテウォン・クラスを一気に見る(おもしろかった)。


非常に良い

分厚いので手が出なかった小説Pachinkoを一気読み(すごく良かった)


おすすめ

毎日パズルをやる(ピースが多すぎて難航中)。


煮詰まってます…

などなど、やる必要のないことがはかどりまくりである。こんなにのんびりしてしまって、世の中に対して申し訳ない。

健康的な生活


手洗いうがいを徹底しているし、早寝早起き+昼寝、野菜もいっぱい食べているので、むしろ健康になってきた感すらある。

ずっとコンピューターに向かっていると非常に飽きてくるのと、なんだか世の中が騒がしくてうまく集中できないので、夜は作業をしなくなって、皮肉にも以前より人間らしい生活である。

アメリカは
これから輪をかけて悲惨な状況になりそうだが、日本も一週間ほど前まで、非常にのんびりした雰囲気だったようだし、なにより政府があまりにも無策に見えるので、余計なお世話だが、非常に心配である。

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