ハワイはなぜホームレスの人が多いのか?②

学期末で忙しくて間があいてしまった。いまワイキキ近くのカパフル通りのスターバックスでこのブログを書いているが窓をへだてた横ではホームレスのおじさんが寝ながらぶつぶついっている。何もできることはないものの後ろめたさがある。

家賃の高さと賃金の低さがハワイにおけるホームレス危機の中心的理由であり、この構造的問題が解決されない限りホームレス問題は解決しそうにない。残念ながら、アフォーダブルハウジングの供給がこのままのペースでは短期・中期的にはホームレス人口は増えはしても減ることはなさそうである。

再開発中のカカアコ地区などでアフォーダブルハウジングを増やそうとしてはいるものの、この新しい物件でも月の家賃は10万から16万円ほどであり、ハワイの平均賃金を考えるとどの程度アフォーダブルなのかという疑問は残る。

ハンバーガーが1,000円…

そしてハワイは物価が高いのである。そう、物価が高いのである(大事な事なので二回言った)。生活費は単純には比較できないけれども、例えばこの記事によればハワイは全米一生活するのにお金がかかる州である。アメリカ全土の平均を100とした場合、ホノルルの物価は198.80である。つまりここに住むにはアメリカの一般的な場所の二倍のお金がかかることになる。ホノルル市はアメリカの中でも最も生活費が高い部類に入る自治体であるニューヨーク市と比べても生活費の合計が11%高い。

もちろん安いところもないわけではないが、レストランで食べた場合基本的な値段は15ドル(1,500円)とチップ(15%くらい)である。ファストフードレストランでも、例えば全米チェーンのアメリカ風中華料理パンダ・エクスプレスの普通のプレートはハワイ州では9.04ドル(約900円)もする。全米一高い。同じものがアラバマ州なら6.8ドル(約700円)である。他のチェーンも同様。バーガーキングのワッパーのセットはアラバマ州では6.49ドルだがハワイ州では8.63ドル。僕のような貧乏人はハンバーガーに1,000円も払えない。

牛乳が1,000円…

食糧のほとんどを輸入に頼っている以上仕方ない部分もあるが(しかし植民地化される以前のハワイは自給率100%であった)、ホノルルではミルク1ガロンが6ドルから10ドル(600円〜1,000円)ほどする。高い。牛乳嫌いでよかった。

このサイトによれば、ホノルルは卵、パン、トイレットペーパーが世界一高い街である。野菜や肉、魚も質は悪いが値段は高い。社会学者ダルトン・コンリーのお母さんはニューヨークのプロジェクト(低所得者向け住宅)のスーパーで売っている野菜を「中古野菜」と呼んでいたらしいが、ここホノルルでも安い野菜は本当に中古みたいな感じである。普通のキャベツを1個持ってレジに行ったら(量り売りである)600円とか700円とかとられて仰天することもある。

話は変わるが量り売りは僕のように慣れない人間には地雷。ポキ(マグロなどの刺身を和えた食べ物)などをスーパーなどでちょっと頼んだらレジでいきなり1,500円とか言われ、俺は魚のバラバラ死体(a.k.a. 刺身)に1,500円も払わんぞと思うがしかし戻すわけにもいかないので泣く泣く払うという貧困あるあるである。



光熱費が2万円...

と、そんなことはどうでもいいんだけど、光熱費も高い。ハワイの電気料金は全米一高く、一番安いワシントン州の約4倍である。ハワイ州は一人あたりの電気使用量が全米一少ないにもかかわらず、一人暮らしの人の1ヶ月の水道光熱費の平均は192ドル(約2万円)である。僕の先輩は毎月8万円の家賃の他に2万円かかって、1ヶ月留守にしていたのにそれでも1万円したとぼやいていた(それでもうわさでは穴蔵のような狭い部屋らしい)。

生活費の高さはホームレスが多いことの直接的原因ではない。しかし、これほどの物価の高さがミドルクラス、ワーキングクラス、そして貧困層を苦しめていることは僕の生活苦にてらしてみても事実である。もし家賃以外の生活費がもっと安いか、生活を支える公共的な制度がもっと充実していれば経済的不安定さを経験する人たちは今よりずっと少ないと思われる。常に生活に食べ物など生活に関するベーシックなもののに関する心配をしなければいけないというのはストレスフルなことである。



ノー・ルーム・イン・パラダイス

と、さすがに作業に戻らないといけないのでまた次回。昨日住んでいるイーストウエストセンターの寮で最近ハワイのホームレスネス問題についてのドキュメンタリー番組、『No Room in Paradise』(予告編)の上映会をした。学校が一番忙しい時期のしかも結構夜遅くだったにも関わらず30人近い人が集まってくれた。今後は昨日集まってくれた人たちと一緒に少なくとも月に1回、ホームレス支援団体でのボランティアなど、できることは少ないながらもなにかしていけたらと思う。僕も以前ボランティアの機会をする機会を提供してもらったのに忙しくなって全然いけなかった事を反省しているので今度はできる範囲でも続けたい。

そしていつの間にかおじさんは夜のワイキキに消えていたのであった。



興味あるひと用に下に映画のリンクをはっておきますね。




コメント

人気の投稿